2013年11月22日
那覇港湾議会が終わる
日本共産党の西銘純恵は、以下の討論を行って、浦添軍港建設と振り一体の埋め立てアセスに反対し、もう一つの議案、ガントリークレーン3号基の設置は取扱いコンテナ貨物が増えないのに税金の無駄遣いと反対しました。
議案第2号について
本補正予算には、浦添西海岸の埋め立てに係る環境調査の為の債務負担行為として金5831万9000円が計上されています。
埋立予定の面積は、小船溜りのマリーナとコースタルリゾートで14.8ヘクタール、浦添市の埋立が20.7ヘクタールで合計35.5ヘクタールとなっています。新軍港の49ヘクタールと合わせると90ヘクタールに及ぶ広大な海域が埋立られることになります。
浦添の西海岸は、沖縄県の「自然環境の保護・保全を図る」ランクⅡの辺戸岬の海に匹敵する海です。貴重なサンゴ、海草藻場、干潟の残る自然豊かな海の埋め立てに対する市民の意識調査の結果は、「自然の海岸線、サンゴの干出浜など自然海岸の保全を求める声が圧倒的です。
埋立のために、2011年から那覇港湾施設移設協議会のワーキンググループで環境影響評価の方法などを協議してきたことが明らかにされました。浦添新軍港建設と一体となって進められている浦添西海岸の埋立は、環境評価を軍港と一体的にやるのは「無理」と判断して別に行う事になったということです。無理だという理由について問い質すと、環境アセス法の手続き変更によって、50ヘクタール以上の埋め立ての場合、方法書の前に配慮書が必要となる。手続きが増えて、環境影響評価の期間が長くなる。埋立のハードルが高くなるから、軍港のアセスとは別にしたということです。軍港のアセスとは別にしたにせよ貴重な自然を破壊する形式的なアセスであり新軍港建設と不離一体のアセスであることは明白です。埋め立ての必要性、採算性を全く無視した先に埋め立てありきで、税金のムダ使いで自然を破壊し、後年、県民に大きな財政負担を押し付ける無責任な埋め立て推進と指摘せざるを得ません。
オスプレイの配備強行によって、爆音や低周波音、墜落の不安に脅かされている沖縄県民は、米軍の軍港建設の一里塚となる西海岸埋立には反対です。県民の総意は新基地建設に反対です。浦添西海岸の埋立を推進するための環境アセスの為の予算は削除することを求めて反対討論とします。

議案3号について
本決算は、監査委員の審査意見で、事業の執行に当たっては、「入念な事業計画策定や進捗管理を行う」こと、組合債の借り入れは、「今後の財政運営に及ぼす影響から、中長期的財政見直しを充分に勘案しつつ進められたい」。「重要な那覇港の整備や諸施策を推進するには安定的かつ多額の財源が必要であり、港湾施設使用料等による自主財源を増やす一層の取り組みが重要」、「歳出は行財政の簡素化及び合理化による経費の節減と財源の重点的、効率的な配分を行」う等と厳しく指摘されています。
本決算においては、2基体制で稼働していたガントリークレーンの3号基を増設する為の総額12億円の整備事業が始められています。ガントリークレーンは、コンテナ貨物の積み下ろしに使用されていますが、3号基の必要性について、答弁では結局、既存の船主の要望であることと、既存の航路がなくなる恐れがあるということが理由でした。
コンテナ貨物の取扱量は、ガントリークレーンが設置されていなかった平成9年(1997年)は、7万2000TEU、ガントリークレーンを2基設置した平成17年(2005年)は7万1043TEU、23年度は8万7849TEU、昨年度は8万5560TEUです。
ガントリークレーンが全くなくても7万余りのコンテナ貨物を取り扱った実績があり、現在は8万余りのコンテナ貨物と言うのであれば、コンテナ貨物の取扱量の目標と実績をみると計画そのものの破綻は明白であり、増設の必要はありません。
また、ガントリークレーンの1号基の稼働率は平成24年度で8・6%、2号基は13・2%、平均10・9%の稼働率でしかありません。ほとんど稼働していないガントリークレーンを増設することに県民の理解は得られません。税金のムダ使いのそしりは免れません。
ガントリークレーンを増設すれば、平成20年代後半までにコンテナ貨物を44万2000TEUにするという目標が達成できるという明確な根拠を示すべきです。以上、反対の討論を致します。
Posted by すみえ at 18:27│Comments(0)
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